
みなさんこんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE ‼です。
ペーパードライバーの方や運転初心者の方で「駐車が一番苦手!」と思っている方は多いはず。
駐車にも絶対に意識してほしいポイントがあり、手順があります。

今回は駐車の基本手順をお伝えしていきます。
この記事でわかること
・基本的な駐車の手順
・駐車やバックをするときの注意するポイント
車庫入れ前にこれだけは知っておこう!
使用する装置
チェンジレバーポジション
「R(リバース)」→後退
「D(ドライブ)」→前進
「P(パーキング)」→停める
アクセル・ブレーキ
速度調節。
軽自動車などはクリープ(ブレーキ解除で発生する推進力)の力が弱い。
傾斜・砂利・段差などでの抵抗がある場合にはアクセルを使った調整が必要になることも。
ハンドル
右回転→右後方へ移動 左回転→左後方へ移動
基本的に進みたい方向へ操作。
バックモニター
車両後方の死角を確認するために必要。
レーダー・ソナー
障害物や人との距離が接近した場合に反応。
反応距離を把握することで周囲の空間を効率よく使うことが可能。
アラウンドビューモニター
車や周囲の障害物を俯瞰で見た状態で確認できる。
ハンドル操作
ハンドル操作は左右にそれぞれ1.5回転ほど回ります。(2回転する車種もある)
最大操作量とタイヤが正面に戻る操作を事前に確認しておきましょう。

車の動き
ハンドルを右に回す・・右へ進む
ハンドルを左に回す・・左へ進む
前進でも後退でもハンドルを回した方向へ進んでいく。

サイドミラーの調節
サイドミラーは下向きにすると車体の近くの線や障害物が見やすくなります。
駐車が完了したら元の状態に戻すのを忘れずに。
サイドミラーの調節方法
- サイドミラー調節ボタン(レバー)
- サイドミラー調節ボタン・レバーが運転席にあります。
左右の操作したい方に切替スイッチを合わせます。

自動車教習所で教わる駐車方法は役に立つ?

教習所の駐車の課題では「ポール○本目が見えたら、ハンドルを全部回しましょう。」というように教わりましたよね?
そもそもこの教習所で教わる駐車の課題は「車庫入れができるようにするための練習」ではありません。

これは、バックの特性を知るのが目的です。
バックの特性?


・ギアを「R(リバース)」で後退
・ハンドル操作した方向に移動
・内輪差や外輪差を考慮する必要性
・周囲確認や距離感の必要性
というようなバックするときの動作の原則です。
この特性を理解しておくことが実践的な駐車では役に立ちます。
駐車場のタイプは2つ
駐車位置の区切り線のタイプは2種類あり、1本の線により駐車位置が区切られているタイプと2本線タイプのものに分かれます。
どちらも幅は同じくらいなのですが、2本線の方が内側の線に合わせる必要がある分正確な操作が必要になります。


乗用車の規格と駐車場の規格
軽自動車
全長3,400mm、全幅1,480mm、全高2,000mmという基準をすべて下回る車。
小型自動車
全長4,700mm、全幅1.700mm、全高2,000mmをいずれも下回り、総排気量2,000ccを下回る車。
普通自動車
全長4,700mm、全幅1,700mm、全高2,000mm、総排気量2,000ccをどれかひとつでもを上回る車。
駐車場の規格(国土交通省の駐車場整備指針)
- 軽自動車 幅2.0m × 奥行3.6m(軽専用の場合「軽」などの文字で示される。)
- 小型自動車 幅2.3m × 奥行5.0m
- 普通自動車 幅2.5m × 奥行6.0m
どちらのタイプであってもドアを開けて乗り降りするのに十分な幅が確保されています。
月極駐車場などは、駐車可能台数をより多く確保するために通路や駐車スペースが狭く設定されているところもありますので、契約する際には「利便性や料金」だけでなく「停めやすさ」や「駐車場の安全度」も考慮して契約しましょう。
バック駐車で意識したいポイントとは?
基本は何においても大事ですが、バック駐車においても基本的な考え方があります。

バックにおける基本とはどんなことなのでしょうか?
1.バック駐車は車体後部から入っていく作業
バック駐車とは具体的にはどういう動作を行っているのでしょうか?
それは・・「決めた駐車位置に対して車両後部を入れていく」

という作業をしています。
そしてそのために必要なことは2.車体後部の方向を駐車位置に向けることです。
まずこのことをしっかりと頭に入れておきます。
これだけ聞くと「当たり前やん」と感じますよね?
ですがこの大前提をペーパードライバーの方に伝えてから駐車手順をやってもらうと、時間の経過とともに駐車の手順に気を取られ過ぎて車体後部の向きが意識できなくなってしまうことがほとんど。
では、この「車両後部から入れていく」ことはなぜそんなに重要なのでしょうか?
効率の良い駐車とは何か?
「車体後部の方向を駐車位置に向ける」と書きましたがこれを守れていないとどうなるのでしょう?
次の画像を見てください。
①~③の車が後退で駐車しようとしています。
それぞれに一番近い「A」の駐車位置にバックで駐車するときに一番簡単なのは①~③のどれでしょうか?

答えは①ですね。
なぜなら、①の車は駐車位置が車体後部の真後ろにあるのでそのまま後退すれば納車できるためです。
では、2番目に簡単なのは?……答えは②です。
②の場合、車両後部の方向が傾いているので後退だけでは駐車位置からはみ出してしまいます。
納車には後退+ハンドル操作(調整)が必要になり①より難易度があがります。
さらに③では車体後部の方向が「大きく傾いている」ので納車には、後退+ハンドル操作でも入れません。
前進+後退+ハンドル操作が必要になり最も難易度が高くなります。

つまり、効率の良い駐車をするためには、後退開始前に①または②に近い状態にしてからバックを開始するのがミスの少ない駐車方法になります。
以上の理由から、結論として次のことがいえます。
結論
駐車=車体後部の方向性のコントロール
STEP1 基本手順を覚えよう!
それでは実際の駐車の基本的な手順を見ていきましょう。

慣れないうちは一動作ごとに止まってハンドル操作をすると失敗しにくくなります。
基本手順①:駐車位置を決めて寄せる

最初に駐車位置を決めます。
(はじめての場合は右側から)

向かって右側に駐車します。

駐車位置を決めたら図のように車をしっかりと寄せていきます。

駐車位置の線を踏まないように気をつけながら通路と車体を平行に。
慣れていないと車体が斜めになりやすいので通路にまっすぐになるように練習しましょう。
基本手順②:駐車位置の真横へ移動

寄せたまま車体をゆっくりと駐車位置の真横に移動します。

運転席の窓から見るとちょうど駐車位置が真横に見えて、後輪が手前側の線(赤い線)に並んでいる状態。

車体の大きさに限らず手前側の線を後輪に合わせると動きがわかりやすくなります。

後輪のあたりが見えるようにサイドミラーを下げておくとより自分の位置を把握しやすい。
後輪のあたりに手前の線が並んで見えています。
基本手順③:角度をつけて駐車位置に車体後部を向ける

駐車位置に来たらハンドルを左に目一杯回します。

ハンドルを左に回し前進。
車体前方が左に向かい車体後部が駐車位置に向かいます。
この時、駐車位置の奥側の線(紫の点線)が重要な基準線となります。

角度付けしていくと後輪に合わせた手前側の線(赤い線)が離れて行きますが、はじめは見えていなかった奥側の線(紫の線)がミラーの下部に見えてきます。
この時点では車体と奥側の線の間にすき間があります。

さらに進むと奥側の線の端と車体がくっつくように見えます。
この角度が最も入りやすく間違いが少ない角度です。

このように角度付けすることで駐車位置に後退しやすくなります。

運転席から見ても車体後部がしっかりと駐車位置にむいているのがわかります。
このように方向性を駐車位置に合わせることができないと何度やってもうまく入らないということになりやすいです。
ここまでを何度も練習しましょう。
基本手順④:駐車位置に車体後部を入れる

車体後部の向きを駐車位置の入り口に向けたら後退開始します。
シフトレバーを「R」に変えます。

タイヤの向きを正面に戻します。
運転席側のサイドミラーを見ながら見えている駐車位置に車体後部を入れていきましょう。
駐車位置を間違えないように気を付けます。

後退を始めながら、駐車位置の中に入れていきます。(紫の枠)

後退中のハンドル操作の強弱により、車両の進入角度を調節し車体後部を入れていきます。
基本手順⑤:車体を駐車位置に対して平行に

車体後部が駐車位置に入り始めました。

ここでハンドルをめいっぱい右に回します。

線と車体が平行になっていきます。

線と平行になりました。
基本手順⑥:車輪止めに接輪して完了

平行になった段階でタイヤをまっすぐに戻します。
戻したらゆっくりと後退し、車輪止めに接輪させます。

接輪したら後退完了です。

接輪したらシフトレバーを「P」にします。

駐車完了です。
これが最も基本的な手順です。
最初からうまくはいかないと思いますので理解できるまで何度も練習しましょう。
各手順上の注意点は?
次に、基本手順の中で気を付けなければならない注意点がいくつかありますのでご紹介します。

手順①の寄せる場面では、寄せすぎて線を踏んでしまうとその後のハンドル操作が少し忙しくなります。
ここでは線を踏まない程度によせましょう。

手順③の角度付けでは、手前側の線と奥側の線を混同しやすいので注意しましょう。
なにかしらの目印などを見つけたり置いたりすると分かりやすくなります。
また、写真のように線と車体の間にすき間が多いと方向性がずれて入りにくい状態ですので、すき間を最小にしていきましょう。

手順④の後退開始後のハンドル調整は難しく駐車位置から左右にずれやすいです。
何度も繰り返して車体後部を駐車位置に入れていく感覚を身につけましょう。
まとめ
今回は駐車の基本をお伝えしてきました。
もちろんここでは説明できない細かな注意点などはありますが参考にしてみてください。
結論として次のことをしっかりと押さえておきましょう。
結論
・駐車の大事な考え方をしっかりと理解する
・駐車の基本手順を理解する
・繰り返し練習する

最後まで読んでいただきありがとうございました!