
みなさんこんにちは。
ペーパードライバー専門教習のHOP STEP DRIVE ‼です。
時代とともに車のデザインは四角く角張ったものから、より滑らかな流線型になり洗練されたデザインの車がたくさん生み出されてきました。
それにともない車内にあるチェンジレバーも次第に進化していき、省スペース化が進められてきました。
そこでこの記事では、チェンジレバーにスポットを当てて時代とともに変化していく様子とその基本的な使用方法についてお伝えしていきたいと思います。
この記事でわかること
チェンジレバーのデザインの変化と基本的な使い方がわかる
チェンジレバーとは?
車は手動で変速操作を行うMT車(マニュアル車)と自動で行うAT車(オートマ車)に分けられますが、平成中期くらいまでは車はマニュアル車が主流でした。
速度の変化に応じて手動で変速操作するときに使用していたのがチェンジレバーです。
チェンジレバーにはシフトレバーなどの名称がありますが同義です。
一般的には1速(ローギア)~5速(オーバートップギア)までを常時上げ下げしながら運転していくのが車を運転していることを実感でき、滑らかな操作に連動して滑らかに走行をすることが「かっこよく」見えたものです。

MT車が減りAT車が主流に
その後、時代とともに自動運転との相性の良いAT車が主流となりました。
AT車といえども、前進や後退のギアの切り替えは必要なので運転席の左手側に縦一列に並んだアルファベットが特徴のチェンジレバーが設置されていました。
AT車の場合はセレクターやセレクトレバーなどと呼ばれたりもします。

ここでかんたんにアルファベットの表記の意味を見てみましょう。
主なチェンジレバーの各ポジション
P(パーキング):車輪が固定される。
R(リバース):バックギアに入り後退する。
N(ニュートラル):駆動が切り離されフリーの状態に。
D(ドライブ):前進のギアに入り前進する。
その他
L・2(ロー・セカンド):トルクの強い低速ギアを使う。
S(スポーツモード):車種による。
B(ブレーキモード):回生ブレーキでバッテリー充電する。
M+-(マニュアルモード):変速操作を手動で行う。
これらは車種などによって表記に若干の違いがありますが大体このような感じになります。
時代とともに省スペース化されるチェンジレバーデザイン
チェンジレバーのデザインも時代とともに少しずつ変化していきます。
縦一列に並んでいたポジションが誤操作などを防ぐために横移動を伴うものに変わっていきました。

さらにAT車の自動運転化が進んでくるとレバー自体が小型化していきます。

こうなるとガチャガチャとレバーを行ったり来たり操作する必要性もなくなり、各ポジション方向にレバーをスライドすることでポジショニングできるので誤操作がなくなります。
さらに最新型の車では、ボタン型であったり、トグル式スイッチ(ダイヤル式)となり室内のレバー空間が極端に消化されるようになりました。
ただ、デメリットとしてレバー自体がないとパッと見てのポジション選択が分かりにくくなりました。
基本的なチェンジレバーの使用方法
初心者としては運転中にレバー操作って無理なんだけど・・


基本的に市街地ではP,R,Dが使えれば問題なし。
でも今後使いこなせるように使用方法を理解していきましょう。
ここでは坂道などで利用するLギアや2ndギヤやM(マニュアルモード)を使いこなせるように見ていきましょう。
エンジンブレーキとは?


Lや2などは主に急な下り坂で使用することが多いよ。
それはなんで?


エンジンブレーキの効果を高めてフットブレーキの負担を減らすためだよ。
エンジンブレーキとは?
"エンジンブレーキ(Engine braking)とは、エンジンで車輪を駆動する車両において、エンジン出力を絞ることで、エンジンの抵抗によって生じる制動作用である。"
"自動車やオートバイではアクセルペダルやスロットルグリップを戻すことでエンジンブレーキの作用が発生する"
エンジンブレーキ - Wikipedia
自動車はMT,AT車問わずアクセルを踏み込むとエンジンの回転力によってタイヤを回している状態になります。
しかし、走行中にアクセルペダルを戻すと今度はタイヤの回転力によりエンジンを回している状態になります。
この時発生する抵抗力によりタイヤに減速力がかかり自動的に減速していきます。
MT車に比べてAT車は一般的にドライブギア走行でのエンジンブレーキの効果が弱いためその効果は意識しにくいことが多いです。
どんな時にエンジンブレーキが必要なの?

どんなタイミングでレバー操作をすればいいの?


いろんな使い方を覚えておこう。
エンジンブレーキの一般的な使用方法としては前方の赤信号や黄色信号などでの停止が迫られる場合に早めにアクセルオフにすることで自然な減速を行っていきたい時などに使うことが多いです。
これは、無駄な加速と減速を減らすことにつながるため燃費の向上が期待できます。
その他、意識的に速度をコントロールしたいときにも使う場合があります。

それが坂道の走行です。
特に下り坂の走行になると坂の勾配にもよりますがAT車の場合、通常のドライブギアではエンジンブレーキの効果が弱いためフットブレーキを使わないとどんどん加速していきます。
この下り坂の不必要な加速が遠心力の増大につながり、カーブの曲がりづらさや最悪の場合コースアウトしてしまい事故につながります。
そのため、山道などの下り坂では速度の出過ぎを防ぐためにフットブレーキを常時的にかけることになります。

フットブレーキのかけ過ぎは重大な問題を引き起こす場合があるんだ。
えっ!?坂なのにブレーキかけすぎちゃいけないの?

フットブレーキの使い過ぎで引き起こされる危険な現象とは?

それが「フェード現象」と「べーパーロック現象」です。
「フェード現象」とは?
自動車やオートバイでの走行中に摩擦ブレーキを連続使用した結果、ブレーキの効き(制動力)が低下すること。
下り坂などでブレーキを連続使用すると摩擦材の素材であるゴムや樹脂などが設定された耐熱温度を超えて分解・ガス化し、これがブレーキローターとの間に入り込むとガス膜が潤滑剤のような働きを起こして摩擦係数が低下することがあります。
「べーパーロック現象」とは?
液体が加熱され生じた泡により液体の流動や圧力の伝達が阻害される現象のこと。
ブレーキに使われている摩擦材の冷却が間に合わずに過熱し、制動力を伝達するブレーキフルードの水分が沸騰してしまい、ブレーキ配管内に気泡が発生することによって起こります。

要するにブレーキが一時的に効かなくなるんだ。
そんな時に活躍するのがエンジンに直接働くエンジンブレーキ。
だから長い坂ではギアチェンジしてエンジンブレーキを利用するのね!


そのとおり!
チェンジレバーのシフトダウン位置

具体的な下り坂のエンジンブレーキの使い方としてチェンジレバーポジションをDからL、2、Bなどに切り替えます。
チェンジレバーのシフトダウン位置を確認しておこう

車種によってチェンジレバー表記に違いがあるよ。
一般的な乗用車では「S」セカンドギアやスポーツギア「L」ローギア、「2」セカンドギアなどが多いです。
「M」マニュアルモード付の乗用車では「+/-」でギアのシフトアップとシフトダウンで選びます。
ハイブリッド車などには「B」と表記されるブレーキギアなどがあります。

回生ブレーキと呼ばれるもので、走行中発電のために発生する抵抗を利用してブレーキをかけます。
エンジンブレーキとは厳密には違いますが、似たような効果を生み出すことができます。
チェンジレバーを操作する手順
チェンジレバーを操作するタイミングは下り坂に進入する手前が安全です。
運転に不慣れな方でよく目にするのが手元を見ながらギアチェンジする光景です。
これは前方から視点をそらすことになるため絶対にやめましょう。
チェンジレバー操作での注意点
・手元を見ての操作は危険
・ブレーキランプが点灯しないため後続車両に減速を伝えにくい
・ギアの戻し忘れ
などがあるのでいずれも注意しましょう。
まとめ
まとめると、エンジンブレーキをタイミングよく効果的に使うことは次のような効果があります。
チェンジレバー操作のメリット
・燃費の向上
・無駄の少ない加減速での渋滞緩和
・フェード現象などのブレーキ異常を防げる

運転中に慣れてきたら積極的に使ってみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!